2013/12/30

推理の力 ---Thank you, "Sherlock"




Sherlock Holmes: It’s obvious, isn’t it?
John Watson: It’s not obvious to me.
Sherlock Holmes: Dear God. What is it like in your funny little brains?
                               It must be so boring.
イギリスBBCドラマ Sherlock Season1の中でシャーロック・ホームズからジョン・ワトソンへの強烈な皮肉たっぷりのセリフ。 

このセリフを聞いたとき、まるで自分に言われているようだと感じた。
このドラマのシャーロックさんに比べたら、私の生活は「思考停止」状態に近いと思えたからだ。 
ドラマではあるが、彼の分析力、目のつけどころ、細かい情報のパーツを瞬時につなげて推理していく過程を見せられると私の思考回路は本当に単純だなあ、とショックを受けた。 
 
英国式科学的思考とはこういうものか、なるほど、イギリス人だったらこういうところを見て人を判断するのかとか日本とは違う見方がまたおもしろい。
また、イギリス独特の皮肉たっぷりのユーモアも楽しめる。
また、シャーロックが話すスピードがかなり速いため、英語のリスニング力強化も期待できる。 


 


 
日本人はどちらかというと感性が鋭くて、「なんだかわからないけれども(説明はできないけれども)わかってしまう」ところがあって、自然に相手の心読みができる超能力のような能力が発達していると私は思う。
が、しかし、欧米人の持つ論理的分析能力もまた素晴らしいと思う。それに彼らのこの思考法を知らないと、日本人以外の人たちとうまくコミュニケーションがとれない。 日本人の「もしあれだったら。。。」「そう、あれやっといて。」「あれして、こうすればいいんだよ」で通じるテレパシーのようなものや日本人の共通認識を外国人に期待するのは無理だと経験上思う。
 

 
日本人ならその類いまれなる感性によって、外国人とも会って話せば言葉が通じないとしてもなんとなくわかることが多いかもしれないが、これが、英語でのメールのやりとりとなると「推理」がかなり必要になってくることが多い。 
いくら英語が世界の共通語とはいえ、英語が母国語でない人達が書くメールはかなり文法もはちゃめちゃ、意味不明なことは結構ある。 
それに、これが電話ともなると、その独特のお国なまりに何を言っているのかわからないことはよくあることだ。 
こんな状態になるとどうしても「推理」が必要になる。 
相手の状況とか自分が持っている情報を瞬時につなぎあわせて相手の言わんとすることを「推理」する能力はかなり重要だ。 
先日、各国からの若き博士たちのディスカッションに加わったときのエピソードをこのブログに載せているが、あの内容もかなり「推理」によって書かれたものである。 
実際の現場はものすごい独特のお国なまり、また文法がはちゃめちゃ、単語が専門用語をやたら使う人、ちょっとシャイで小さい声で話す人など様々なので何を言いたいのかはその人を現場で観察して得た情報、申請書である程度わかっている個人情報などの背景知識も駆使して、まさにめまぐるしく推理しながら、コミュニケーションをしていたのである。
 「思考停止」の状態、またはわかっていても性格的に奥ゆかしい人であれば沈黙だっただろう。 (残念なことに数人の日本人スタッフは大変静かだった)
それに誤解する人が多いが、Drの肩書きがあっても英語が得意とは限らない。
事実どうやってこの会話力で受入の先生とコミュニケーションが取れるのだろうかと不思議に思うこともある。 きっとお互い「推理」しあって会話しているに違いない。  
シャーロック的推理はあらゆる仕事のシーンでも役に立つと思う。
例えば、文法とか単語もちぐはぐで謎の英語による問い合わせメールが来た場合などである。
 
 
以前アメリカの会社に勤務していたときは、日本人の書く英語メールは現在、過去、未来がはっきりしていなかったり、あいまいな内容だったりして、日本人の私でさえ、意味不明のものが多かった。 
当時の私のアメリカ人のボスは、ほとんどメールの内容は信用せず、とにかく日本人スタッフの真意を知るために、自分から出向いて、必ず相手の表情を見て、あらゆる状況を良く観察して判断していた。
 

 
私はもうすぐ迎えるお正月はシャーロックを真似して
"Get out. I need to go to my mind palace. "と言って、考えることそのものを楽しんでみたいと思う。
皆様もどうかよいお年をお迎えください。   

  




 
 


  

2013/12/29

Do you know how to make miso?

数年前、体の調子がちょっと悪くなった時、健康について初めて真剣に考え、いろいろとリサーチをしてみた。 
やはり長時間にわたるパソコンにはりついての仕事そのものが体に悪いということはわかっていたが、仕事なのでどうしようもない。
しかし、もしかしたら忙しいから、時間がないからと外食が多かったからではないかと疑ってみた。
その頃、もう60代とは思われたが、非常に活力に満ちた、そして人間的にあたたかい篠田ご夫妻と知り合った。
私は篠田ご夫妻から健康の秘訣を熱心に学んだ。 
学んでいるうちに、きっと篠田ご夫妻のような生活をしたら、病院にお世話になるより人はもっと健康になるのではないかと思い立ち、そのころ、週に一度埼玉県坂戸市にある篠田家にお邪魔して自家製味噌の作り方を教えてもらったり、完全無農薬の畑での野菜作りに参加させてもらったりした。 
篠田ご夫妻がリーダー的な役割をして数十人の"20代の若者より元気な"60代以上のシニアの先輩たちがEM農法と呼ばれる完全無農薬の畑でサトイモや、大根やにんじんなどいろいろな野菜作りをしていた。 ここでとれる野菜は本当においしかった!! 
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
EM農法とは

EM=Effective Micro-organisms(有用微生物群)の略で、1982年に琉球大学農学部比嘉照夫教授によって発表されました。EMは、物質を蘇生に導く有用な菌を80種類以上自然界から集めた集合体です。
この菌を農業に使用する事によって(特に有機栽培に使用する事によって、より効果が上がります)活発な微生物の働きにより土が活性化し小動物が住み付き、化学肥料にたよらず土の力で農産物を育てられるようになり、農産物が本来の味や栄養価を備えたものになります。EM栽培の特徴として農産物の甘味が増したり、抗酸化力があるものになります。
また、EMによって元気な農産物を作る事により農産物が病気にかかりにくなったり、害虫の食害を軽減させる事が出来るようになり、農薬を使わなくても栽培出来るようになります。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
 
あまりにも元気なおじいちゃん、おばあちゃんにお会いして、当時私は自分の生活パターンの見直しを真剣に考えた。
そして生まれて初めて日本の伝統食である「味噌」を作ってみよう、そしてその作り方を世界中の人に教えてあげようと思いついた。 
私は日本人であるにもかかわらず、味噌はどうやって作られるのか、全く考えたこともなかったのだ。
そうしてデジカメと小型ビデオカメラで篠田ご夫妻の許可をとって作り方を撮影し、編集し、英語の説明をつけてYou tubeに初アップロードしてみたのだった。 
まあ、見る人は少ないだろうなと思っていたが、予想以上に世界各国からコメントやらも届いたりして本当にびっくりした。 
日本の伝統食であるmiso soupについては米国でも作り方を聞かれたし、今の仕事で知り合ったドイツ人女性はドイツの自宅でmiso soupを作って食べているという。
篠田ご夫妻に教わった貴重な本当においしくて健康的な味噌のレシピはこちらです。
この比率で材料を合わせて作れば、非常においしい生きた味噌ができます。
ぜひお試しください。 (味噌作りの時期は、昔から「寒仕込み」と言って、雑菌が繁殖しにくい1月~2月に仕込むのが、一般的で間違いがないようです)
 
 



2013/12/28

衝撃のクリスマスメッセージ by Edward Snowden  

イギリスのテレビ局、「チャンネル4」が最近12月25日に放送したスノーデン氏による2分間にわたる衝撃的なメッセージはこちらです。 
まずは音声で聞いてみてください。 (スクリプトはすぐ下にあります)



Edward Joseph Snowden

Hi. And Merry Christmas.
I am honored to have a chance to speak with you and your family this year.
Recently, we learned that our governments, working in concert, have created a system of worldwide mass surveillance, watching everything we do.
Great Britain’s George Orwell warned us of the danger of this kind of information.
The types of collection in the book – microphones and video cameras, TV’s that watch us – are nothing compared to what we have available today.
We have sensors in our pockets that track us everywhere we go.
Think about what this means for the privacy of the average person.
A child born today will grow up with no conception of privacy at all.
They’ll never know what it means to have a private moment to themselves – an unrecorded, unanalyzed thought. And that’s a problem, because privacy matters.

Privacy is what allows us to determine who we are and who we want to be.
The conversation occurring today will determine the amount of trust we can place both in the technology that surrounds us and the government that regulates it.
Together, we can find a better balance.
End mass surveillance.
And remind the government that if it really wants to know how we feel, asking is always cheaper than spying.

For everyone out there listening, thank you, and Merry Christmas



エドワード・スノーデン
生誕エドワード・ジョセフ・スノーデン
(Edward Joseph Snowden)

1983年6月21日(30歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ノースカロライナ州エリザベスシティ
現況ロシアの旗 ロシア(滞在場所非公開)
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業NSA局員
CIA局員
ブーズ・アレン・ハミルトン社職員。
著名な実績PRISMの告発者

エドワード・ジョセフ・スノーデン英語Edward Joseph Snowden1983年6月21日-)は、アメリカ合衆国情報工学者中央情報局(CIA)及び国家安全保障局(NSA)の局員として、アメリカ政府による情報収集活動に関わった。
2013年6月に香港で複数の新聞社(ガーディアンワシントン・ポストおよびサウスチャイナ・モーニング・ポスト)の取材やインタビューを受け、これらのメディアを通じてアメリカ国家安全保障局(NSA)による個人情報収集の手口を告発したことで知られる(PRISM計画)。2013年6月22日、米司法当局により逮捕命令が出され、エクアドルなど第三国への亡命を検討しているとされていたが、同年8月1日にロシア移民局から一年間の滞在許可証が発給されロシアに滞在中である。


一体全体私たちはどうしてコミュニケーションがこんなに下手になってしまったんでしょう。
個人レベルから政府レベルまで、ここまで退化しているとは。 
スノーーデン氏が言うように
And remind the government that if it really wants to know how we feel, asking is always cheaper than spying.と私も思うのですが。 
もっともっといろいろなレベルで、あらゆるところで、実際に会っての真摯な対話が必要なのではないかと私は思いました。 

 

2013/12/25

日本に来た外国人研究者とのディスカッション 

本日、日本に来て数か月のまだ、20代から30代の若いリサーチャー(博士)たちとディスカッションを1時間ほど英語でやった。  

参加者6名の内訳:ナイジェリア(男性)、イタリア(男性)、インド(男性)
            スウェーデン(女性)、オーストラリア(男性)、スペイン(女性) 

まだ自己紹介もしないうちから「研究費を上げてほしい。僕の研究は文系とちがって基礎研究だから実験にお金がかかるんだよ」と唐突に話しかけてくるのはパキスタン系オーストラリア人研究者。 そうとうフラストレーションがたまっていたのか、いきなり、彼はこうきりだした。  
「日本では何をするにも言葉の問題があって、ちょっとしたことでも1,2時間は待たされる。
日本人はわれわれに日本語を学ぶことを期待するよりも、日本人が世界の共通語であり、科学の世界では普通に使われている英語をもっと学ぶべきではないのか。」

彼の独壇場になってしまいそうだったので、ここで、ディスカッションのトピックとして「あなたたちのような優秀な研究者は各国で研究の機会があったと思われるが、なぜ日本という国を選んだのか」というテーマに絞ってひとりひとりに発言してもらった。 

20代半ばと思われるういういしいスウェーデン人研究者は日本はエキゾティックとかインターナショナルというイメージがあって、研究者としては国際経験があることが望まれるので、日本を選んでみた、と恥ずかしそうに言った。 

このスウェーデン人研究者が「それに日本はInnovativeだから」とも言ったので、「どのような点がInnovativeなのですか」と聞くと、「それは、えーと。」と言葉が出てこない。
「何か具体例をいただけますか」と聞くと絶句。
オーストラリア研究者が、「僕ならSONYとか車だと思う」と言った。

 
スペインの研究者は日本に来た理由は日本の受入の先生のプロジェクトがとても素晴らしいからとのことでインドの研究者もそれに賛同していた。 

インドのかわいい感じの研究者は「僕は周囲の人から日本には行くなよ、日本に行ったら日本語ばっかりだぞ。言葉が通じないぞと散々言われたが、実際来てみると、受入の先生が英語で話してくれるし、僕の英語もそんなにうまくないけど、たいていの人はわかってくれようとするのでうれしい。」とのこと。
インドの研究者は本当にずっと笑顔で「毎日違うことを、違う環境でしかも国際的な環境でやれるということがとても楽しい」と本当に満足しているようだった。 

イタリアの研究者は最初からずっと落ち着かない様子。 
退屈すると紙に落書きとかしている。
たぶん30代後半だとは思うがちょっと子供っぽいところもある不思議君だ。
彼は日本の哲学、特に20世紀の日本の哲学(西田幾多朗とか)についてが研究テーマだ。
彼が日本に来た理由は「日本のことを勉強するには日本に来なければわからない」と言った。
なるほど。 
私が「あなたの研究テーマは「無」Nothingnessとかエキゾティックな日本的テーマだから日本語もさぞおできになるんでしょうね。」と言ってみたら「日本語はあんまり」とのこと。
私が「ではどうやってNothingnessについて勉強するんですか?座禅でもしているのですか?」と聞いたら「いや、それはロジカルにディスカッションしている」とのこと。 
日本の哲学については日本語でも不可解な表現が多いのに、それを英語でどうやってロジカルにディスカッションしているのだろうか? 
またこの研究者はリサーチャーになった動機は何かと聞かれると「他の仕事をするのがいやだったから」と淡々と言ってのけた。 
また「尊敬する哲学者は?ソクラテスとか?」という問いにも「いないね。」 とあっさり。 
「哲学と宗教の違いは何ですか?」という問いには「ここでは答えられないね」 と言われてしまった。 

スペインの研究者は本当に日本でやりたかったプロジェクトができてうれしくてしょうがないといった感じだった。
言葉は少なかったが(英語は苦手のよう)科学に対する純粋な熱意が彼女の体全体からあふれていた。 

ナイジェリアの研究者はこのグループの中で一番大人で紳士的で洗練されているという印象を受けた。
彼はまず笑顔でしかも日本語で「よろしくお願いします」と言ったあと、笑顔で「僕は黒人だから肌の色でみんなにびっくりされると思っていたけど、わりと普通に受け入れてもらえて親切にしていただけてうれしいです」と感謝の言葉から会話を始めた。
日本文化を良く知っているのかこの人の人柄なのか、こういう人ならみんな親切に「おもてなし」したくなる。 
ただ発音が独特で早口だったので、彼の言っていることをあまり理解できなかったのが残念だ。 
私が彼はすごいなと思ったのは、最後にディスカッションの内容を発表するプレゼンターが必要なのだが、それはオーストラリア研究者が自らやりたいと言ったのでそのはずだったが、あと5分というところで、それを彼にやってくれと頼んだ。 
このナイジェリアの博士はにっこりOKと言って、オーストラリア人研究者が超早口でしゃべる内容をさっとメモにとって、にこやかに檀上に立ち、見事に結構複雑だったディスカッション内容をまとめてくれた。
彼は合間のちょっとした数分などiPadで情報チェックをするなど、何かしらやっていた。 
ディスカッションが終わると日本語で「どうもありがとうございました」とまたにっこり。 
素晴らしい人間力!
彼の今後の日本での研究の成功は目に見えるようだった。 
  

さて、ちょっとやんちゃでとがったオーストラリア人研究者が言ったことで印象に残っているのは「僕が医者(Medical Doctor)ではなくて、リサーチャー(Doctor of Philosophy)になろうと思った動機は医者だと救えるのは限られた時間で数人だったり、多くても一つのコミュニティだったりする。でもリサーチャーなら、たとえばペニシリンの例をとればわかるように、一つの発見で多くの人たちを救える」 という言葉。

これら6人の個性的なリサーチャーが日本での経験を経て、どんな研究成果を出してくれるのか今後が楽しみになった。 申請書を読んでの印象と実際会ってみた印象は全く違っていた。 
やはり人は会って話してみなければわからない、それがコミュニケーションの基本中の基本だと実感した。  
 







2013/12/22

公的英語教育の成果(特にアジア諸国)

日本の英語教育について、友人の台湾系アメリカ人女性モニカ(長年ロスアンゼルスに住み、情報通信会社の管理職として英語と中国語両方を流暢に操る)のあっと驚くメールのメッセージをシェアします。私は正直公的英語教育が完全に失敗しているのは日本だけかと思ってました。  

You see most non-English spoken people (not just Japanese but also tons of Chinese, Taiwanese, Korean and many more other ethnic groups) would remain very limited in the comfortable manipulation of English language even decades after they have lived in the US and I found that very sad and not acceptable. 

確かに私の経験でもたとえ、アメリカに何十年もいたとしても、英語が流暢ではないアジア系の人たちは、結構いたように思います。

Because how can you live your life fully with joy when you can’t even communicate freely in the language where your daily life commends for? 
That’s why I believe learning both English and Chinese is very important in our lifetime because knowing these two languages would mean that you’ll be set for life to communicate with nearly half of the world population (more than 2 billion using English and another 1.4 billion using Chinese). 
I mean I genuinely don’t like Chinese because I see myself as Taiwanese and American who has nothing to do with lots of no manner Chinese, but like it or not I recognize the fact that none of us should ignore this country anymore just by the sheer size of its huge population and the enormous economic and military power it possesses.
 
そうか、英語教育がうまくいっていないのは日本だけではなかったんですね。
英語に加えて中国語ができたら言うことないですけどね...まずは共通語の英語、英語。 
 
さらに、近いうちに台湾にぜひ行きたいとコメントしたら、
 If you want to see the real Taiwan and enjoy the hospitality of friendly Taiwanese, you need a tour guide who speaks Taiwanese because English is like Greek to the average Taiwanese despite the fact that we were forced to take English course since junior high (10 years if you include 4-year college) because the English education in Taiwan has been a failure through and through since 1949. 
Not to kid you, but I did not learn English from school at all because you can get perfect score and yet still don’t know anything about English being educated in Taiwan. 
ちょっとこれは日本と同じ現状では? 
なぜこんな似たようなパターンになっているのしょうね。 
 
I learned English through watching American and British TV, movies, cartoons and listened to the broadcast of Voice of America, BBC and pop music ever since I was just 12 years old. 
Trust me this is the easiest and most fun way of leaning a second language.
これは全く私も同感。 
理屈というより本能が自然とそちらを選ぶという感じでしょうか。 
これだと断然早く上達すると私は思うのですが、なぜかうちの主人をはじめ、男性はほんとうにおかたい左脳的アプローチがお好きのようで。ちなみに主人は岡倉天心の茶の本(英文収録)という本を読んで英語を勉強するのがおもしろいとのこと。 
男性は謎だ。。一体どうしたらそんな勉強法を思いつくのだろうか。。。
たまには女性的観点から英語にアプローチしてはいかがしょう?
ちなみに私の最近のおすすめはBBCドラマのSherlock。これはおもしろかったですね。
このおかげでイギリス独特の皮肉とかユーモアも学べたし、いやいやとにかく楽しく学べますね。
シーズン3はまだ公開されないかな?
このドラマのおかげで仕事でもイギリスの担当者とも仲良くなれ、いいことづくめです。 
 
 

2013/07/28

サイエンスの世界の共通語

先日メールにイランからのリサーチャーの「学位記証明書」(=博士号=Doctor of Philosophy取得証明書)が添付されており、これでOKでしょうかというある国際機関からの問い合わせがあった。

 
添付のPDFを印刷してみると、それは生まれて初めて見る、アラビア語で書かれた「学位記証明書」だった。これはもう、私の理解をはるかに超えて、もう「芸術作品」にしか見えなかった。 
何度見ても、アラビア語の文章はどうも右から読むらしいということしか私にはわからなかった。 
添付の英訳にはこう書いてあった。  

This is to certify that Mr. XXXXX, son of Abolgxxs, ID. Card No. 1234 issued at Tehran, born in 1978, completed the Doctorate Degree Course in the field of Energy Engineering on July 19 2006 at Islamic Azad University Science & Research Branch.....

 
この世のものとは思えないアラビア語の次に見た英文はなんとわかりやすいことかと英語という共通語に感謝した。 しかし、学位記の証明書に「...の息子」と書かれているのも新鮮な驚きだった。
この申請者は日本の大学ですでに研究者としての実績があり、推薦機関の徹底したスクリーニングを経て選ばれた人であった。そのスクリーニングのプロセスの中にはテレビ会議システムを使っての英語でのインタビューもあることを推薦機関の担当者から聞いた。 やはり英語で意思の疎通ができないと研究面はもちろんのこと、生活の面においても困り結局は帰国するはめになるケースが多いからという。   

サイエンスの世界の共通語は英語だ。
どの国の人たちも英語、ときには数式でサイエンスについて語り合っている。
自分たちの発見を英語でわかりやすく世界に伝える能力がサイエンスの世界では生き残れるかどうかのキーとなるようだ。

数多くの申請書を読んでいくうちに、多くの申請者が数か国語ができることに驚かされる。 
あまりにもびっくりした最近の例は、父はイタリア人、母はオーストラリア人の申請者で国籍は二重国籍。イタリア語と英語はネイティブレベル。ここまではそうか、と納得。
しかしこの人はフランスの大学とオーストラリアの大学とのジョイントプログラムでパリで学位記を取得。ということでフランス語も堪能。 そして専門は数学で、主席でパリの大学を卒業。また、現職はドイツの教育機関でリサーチャーとして働いている。。ということはドイツ語もできる!? 

こんな天才が育った国はどこかというと、オーストラリアであった。 
オーストラリアという国は創造性をとても大事にしているということが、申請書に添付される「推薦文」を読むとわかる。例えば、こんな推薦文がオーストラリアの政府機関のリサーチグラントオフィサーから添えてあった。 
・・・His enthusiasm for science is greatly complemented by his tendency to think laterally and dare to try something different. He has proven me wrong on a number of occasions.....

"think laterally"というのは「違った角度から考える」ということである。

 
日本では違った角度で物を言うとけむたがられる傾向があるが、オーストラリアは常に果敢に新しいことに挑戦し、ときには上司や指導教官をも何度も「間違っている」と証明することはウェルカムなのである。 

余談ではあるが、私が以前IT関連の外資系会社で働いていたときも、クリエイティブな考え方を持っていて、次々に思い切った改革をする役を任されていた人は、数々の職歴を持ち、数年単位の契約で来ていたオーストラリア人のおもしろくて、とても人間味あふれるコミュニケーションの達人だった。 

オーストラリアもこれだけ優秀な人材がいても、なかなか生かす場所がないし(=仕事がない)、それだけの給料を払ってやれないという事情があるらしい。

そういう人たちを受け止めてあげられる器をもった日本という国は素晴らしいと思う。
日本人というのは本当に他者に対して親切で優しく寛容で、まるで人を育てる「母」のようなところがあると思う。
また、日本の持つ研究施設も日本人の世界一の手先の器用さから生まれた最先端の機器で満ち溢れている。これも外国人研究者にとってはあこがれの的である。
ただ一つの問題といえば、やはり外国からの研究者との英語でのコミュニケーションがなかなかうまくいかず、途中で期間を早めて帰ってしまう外国人研究者も多いのも事実。 

先日ある推薦機関からの代表者も、「日本に行って言葉が通じるかどうか心配する申請者も多い。コミュニケーションの不安は大きい」と言っていた。

日本人がもっと英語でのコミュニケーションができるようになれば、日本は本当に世界中から尊敬され、慕われる国になると思う。 (ぜひアラビア語を見てみてください。きっと英語にもっと親しみを感じると思います)  


 


 
 

2013/07/27

オーストラリアの夏休み 

そろそろ各国がSummer vacationをとる時期にはいるので、頻繁にやりとりする担当者には連絡をしておかなければならない。

オーストラリアに連絡するにあたって、ちょっと考えた。 そうだ、たしかあそこはサンタさんがサーフィンしている姿をテレビで見たことがある。 ということはオーストラリアにとって夏休みは12月とか1月になるのかな。。

とりあえず以下のメールを打ってみた。 

I will be out of office from Aug.8 to Aug.13 for summer vacation.
In your case, are you having summer vacation, say, in Janurary?

そうすると、以下の返事が戻ってきた。 

I am planning a one week break during October but our summer vacation will be in January.
We close the office between 24 December and 2 January.
but some staff don't come back until mid-January as this is generally the quietest time of the year for us. I hope you enjoy your break and thank you....

担当者自身はそうとうハードワーカーというのが感じられるので、10月に1週間というのはうなづけた。 一般的にオーストラリアではやはり1月が私たちの考える夏季休暇だということがわかった。

 
フランスの担当者はメールに「あまりにも異常な暑さで仕事をする気になれないほど」とメールに書いていた。となりに座っているヨーロッパに詳しい同僚が、フランスではめったに日本のような蒸し暑さはないので、クーラーがない所も多く、フランス人は相当まいっているらしいということをニュースでやっていたと教えてくれた。 しかしそんな中でオーストラリアは今は「冬」なのだ。 オーストラリアは例えばケアンズなら飛行機で7,5時間と書いてあり、近いように思うが、これほどの違いがあるなんて。 
地球の神秘を感じた日であった。 

2013/07/24

所感:各国とのメールのやりとり

現在の仕事で33か国の主に欧米諸国との主要な科学関連機関とのやりとりをしだしてから一年半ほどたった。

前職ではほとんど米国人とのメールのやりとりがほとんどだったので、こんなにバラエティのある英文に接するのは初めてで刺激的である。 

日々の頻繁なメールのやりとりをしているうちに、だんだんと担当者を通して各国の文化や雰囲気を感じられるようになった。

 
担当者を通して、ということなのでもちろん担当者の人格、性格が影響していると思うが、あまりにも特徴があるのでおもしろい。 
担当者はDrの称号を持つ人、オフィサーやマネージャーという人たち、中には担当するのが全く初めてなので初めから教えてほしいといった事務職員もいたりして、こちらもバラエティに富んでいる。 

米国のやりとり、とくにニューヨーカーとのどちらかというとかなりドライで簡略化されたビジネスメールに慣れていた私はヨーロッパ諸国のとても人間的であたたかく、時には誌的であるメールに心打たれることが多い。

メールの丁寧度一位はドイツの印象が強い。
担当者が産休のため休職したが、次の方も丁寧すぎるほど、丁寧、そして、心のこもったメールのやりとりが続いている。 
最初はドイツってなんだかおかたいイメージだったが、担当者(実際会って話す機会もあった)を通してだがドイツとはなんと感性が豊かで深い国なのだろうと認識が変わり、米国にばかり目がいっていた私はヨーロッパの文化に深く興味を持つようになった。 

フランスの担当者は、最初に天気の話を入れてきたりして、あ、日本の手紙を思い出すなあとほのぼのとした気分になった。また、やはり人間的なあたたかみが、たとえ英語にたどたどしいところがあっても感じられて好感がもてる。 

イギリスは、本当にかっちりしている、まじめで正統派でくずれないという印象。
感情は極力入れず、外交的で親切な模範的な英語といった感じ。(あたりまえか。) 

オーストラリアはのんびりしているかとおもいきや、一番戦略的で仕事が早い。
日本と時差が1時間しかかわらないせいもあるが、メールを出してほとんど5分以内くらいに返事が来る。まるでチャットしているかのように。しかも的確な短い答え。これは意外だった。オーストラリアというとのんびりしたイメージがあって、返事はすごく遅いに違いないと思っていたが、一番早い。これは担当者の性格が大きいのかもしれない。彼女はもしかしたら、ニューヨークにでも留学していたのだろうかと思うくらい、忙しいアメリカを思い出した。 しかも彼女は全く感情はメールに入れない。あくまで論理的で的確な表現で短い。 この彼女のボスが先日こちらのオフィスを訪れて、私もミーティングに加わっていろいろざっくばらんに話す機会があったが、その彼女のボスがその部下のことを「彼女がほんとの裏ボス」といった意味のことを言って、にっこり微笑んだ。 どの国もやり手がいるものだ。 またオーストラリアは創造性とか自由な発想とかを大切にしていることがいろんな機会にうかがわれるし、オーストラリアからの訪問者もざっくばらんで気取ったところがなく、オープンマインドな感じの方で非常に親しみがもてた。  

アメリカはどうかというと、丁寧さにかけては残念ながら私の中では他と比較すると最下位。フレンドリーといえばそうかもしれないがどちらかというとぶっきらぼうな感じ。忙しモードが漂っていて、メールも1,2行が多く、ただCCに入れられていて、「これを読めばだいたいわかるでしょう」という暗黙の了解を求められる。 
効率をとことん追求したらこうなるのだろうか。。 
しかも、自分たちに不備があっても淡々としているところもある。 そうそう、アメリカに住んでいた私はこの雰囲気はよくわかる。いつもなんでアメリカ人は自分が悪くても謝罪しないのか、と憤慨したことが何回もあった。そういう文化なのだ。 彼らに悪気がないこともわかっているので、ただ淡々とビジネスメールのやりとりをしている。 

中国はまたかなり個性的。担当者はDr.の称号を持つ人ではあるが、英語は本当に苦手のようで、幼稚園児のようなかわいい日本語でメールが来るのである。 反応も遅かったりするので、いつも「緊急!」で送信したり、「開封メッセージを要求する」送信をしてやっとのことで連絡が取れる状態である。 

さて、長くなりそうなので、担当者を通して、一番魅力的だと感じた国はどこか。 
それはエストニアである。 エストニアの言語自体が不思議で美しい響きを持っていて、担当者の名前も美しい、まるで宇宙語のような感じで新鮮な驚きだった。 
エストニアとは昨年は組織の移行期で交流がなかったが、今年からは新しい担当者になった。 
新しいにもかかわらず、こちらから送った資料は完璧に理解して、他諸機関に不備書類が多々あるなか、最初からパーフェクトであった。 やりとりも実にスマートかつ洗練されていた。
メールの返事も比較的早く、わずか4,5行の中でも実に表現もあたたかく、かつ的確で、感謝の気持ちをあらわす表現や気配りが感じられるのである。 
エストニアってどんな国なんだろうと一番興味をかきたてられている。

私は自分が馴染みのある米国のことばかりしか頭になかったと、あらためて思う毎日である。
また、メールのやりとり=その国の印象=外交につながっていると思う。

 
 

 

 

 

  
 


2013/07/22

素敵なBirthday message

感動的な誕生日のメッセージが米国人の親友Roseから届いた。 
彼女はシャーマンのようなところがあって、人生で必要なメッセージを非常にいいタイミングで届け続けてくれている。 
私にとっては本当に神秘的で貴重な友人だ。  
彼女は私の年も知らないし、私も彼女が何歳か全く見当がつかない。
たぶん30後半だとは思うが。
米国では特に女性に対して年齢は聞かないという暗黙のルールがあるので私も長いつきあいになるけれど、一度も年齢の話だけはしたことがない。 
届いたのは以下のメッセージ。 

Dearest Miwako,


May this be your best birthday ever, and from now on, life only get better and better!


Be a butterfly, spread your wings, and get whatever life brings!


Be true to yourself, be unique!


Wishing you all the best, today and always,


Rose

彼女はご主人と一緒にこの5月に東京に来る機会があったので、実際に会っていろいろと話をした。

彼女は彼女の2倍はあるかと思われるような、体格のいいご主人のことをよく、「Baby」と何度も呼びかけていたのでえ?とびっくりしたのを覚えている。(笑)

観光名所に行くとよく、「Are you done?」と言いあっていた。 
これはもう、いい?見終わった?というような意味である。 

一緒に旅をしながらの会話で忘れられない彼女の名言について。
Rose: Do you  know the true meaning of "GENIUS"?
Miwako: No, not really.
Rose: This means "Genie in us”; we are all genies!
All geniuses knew they had the ability to do whatever they wish. 
そうか、アラジンの魔法のランプのジーニーが私たちの中にいる、つまり自分自身がジーニーそのものなのだ。
そのことに気付いて自ら思うことは何でも実現してきたのが天才たちだというのだ!  

また彼女の魅力は独自のユニークな視点でよく私をはっとさせてくれることだ。 
江の島の岩屋洞窟に行く途中のお寺で水を飲もうとしたとき、毛虫がいた。
たいていの女性なら悲鳴をあげるところだが、Roseの場合”Wow, look at this! He is so beautiful. Look at the color!” 良く見ると確かに顔も愛らしいし、色も赤や黄色など微妙な色が重なり合い美しいといえば美しい。 
そして、彼女の忘れられない言葉。 
”You know, this symbolizes us.
We are all like him.
He is going to be a butterfly and fly!
We will all become like a butterfly!”

そして1か月後くらいにご紹介したメッセージをくれたのである。 
しかも私の誕生日(6月19日)は米国ではなぜかBUTTERFLY DAYと言われているそうなのである。そんなこと全然知らなかった! 
ちょうど若かりし日は過ぎたことを悟り、「ああ、私の人生何だったんだろう」なんて落ち込んでいた時だったので、このメッセージにどれだけ勇気づけられたか。
蝶になって自由に飛べる時期がやっと来たということなのか、と希望で胸がいっぱいになる。 
彼女のようなドラマティックなメッセージが書けるようになりたいものだと思った。