2011/05/29

Tips to organize events

私は今年4月から政府と国際的な大学が運営する組織の国際プロジェクトコーディネーターという仕事をすることになった。

そこでの初仕事は約400人規模の震災復興支援に関する国際イベントの担当だった。

その企画は震災後に急に決まったもので、全て手作りでお金をかけないという条件の下、準備期間は2か月もなかった。

私にとっては初めての組織で、知っている人はほとんどいなかった。 
私にあるのは本当に「やる気」だけだった。 

仕事道具としてはかかせないPCさえもちょうどその組織の移行期間ということで、ソフトウェアが古くて使い勝手が悪かったので、まずは自分でPCも買い、毎日それを持ち運んで仕事をした。 

つい弱気になり、「私はまだここのことがわかりませんので。。。」と言い訳めいたことを言ってしまうと、「いいですか、山本さん、役所ではもう一週間もしたら新人とは言わないのですよ。。」と言われ、分厚いファイルを渡され、「はい、ではよろしくお願いします。」と言い渡された。 

一緒にお仕事をさせていただいて、よくわかったのだが、日本のお役人の方々は本当にこのような条件の下、淡々と任された仕事を朝も昼も夜も休日もないような状態でこなしていらっしゃるので、私は文句は言えなかった。

こうして、私にとってこのプロジェクトは自分の能力に対する自信のなさから全くの不安と混沌と困惑から始まった。


正直最初はあまりの重責に、辞表を書く寸前だったが、同じくこのイベントを担当している同僚のバイリンガルのアメリカ人のEさんが「僕がプロジェクトリーダーとして、もっと仕事するし、わからないことは教えてあげるから一緒にがんばろうよ。」と言ってくれたことを救いに覚悟を決めた。

バイリンガルのEさんも日本語が母国語ではないので、毎日山のように来る日本語のメールを完全に理解することはできないし、日本語でメールを書くことはできない。
しかも彼は他のプロジェクトも同時に請け負っていたので、あまり彼に頼ってしまうのもいけないと悟った。
それに日本人が主力であるチームなので、誰に何をしてもらうか、何をいつまでにやらなければいけないのかを伝えたり、役所や業者とのコミュニケーション、組織内の調整役は私がやることになった。

Eさんには主に英訳、英語での感謝状やレター関連、会場のテクニカルな操作についてのヘルプ、大学のインターン生の当日手伝いの手配などを担当してもらった。 

その他、細かいロジなどは経験豊富なスタッフや長年このようなイベントをやっている方にお手伝いをお願いしたりして、自分のできない部分を本当に多くの方がたに支えていただいた。 

このイベントは最初は質素にシンプルに手作りでやろう、というコンセプトから始まった。 

あまり出席者もないだろうと予想されていたのにもかかわらず、異常な勢いで申込みがあり、締切日前に早くも定員に達してしまった。

それでも来たいという方のためにオンライン中継会場も別に用意することになった。

また、急展開が起こり、最初の挨拶で大臣も出席、レクター(学長)も出席、そして寸前になって皇太子も出席されることになり、一大イベントとなってしまった。

最後はみんな総出のチームワークでなんとか乗り切ることができた。 

私も最後は倒れるまで働いた。 睡眠時間が圧倒的に足りなかった。 

この2か月間、週末も休むことなくひたすら刻々と変化する状況に対応したつもり。

今回学んだ教訓は、もっと前々から戦略的に準備をすることだ。。

なんでもぎりぎりは非常に効率が悪いだけでなく、体に悪い。。。

もっと余裕をもって仕事をしたいものだ。 

私はイベントの専門家でもなんでもないが、数千人規模のイベントを見事にオーガナイズすることのできるアメリカ人女性の友人でありメンターがいるので、彼女にアドバイスを求めたら、以下のような返事をいただいた。

①Get commitments to participate from the most important people first.  Once
they say "yes", others will also choose to participate.

②Find a location for the event and negotiate with the people there what you
need and the prices of what you need -- meeting rooms, audio visual equipment,
meals, etc.

③Send notices of the event out as soon as possible even before you have a
location.  In the U.S., we send out "save the date" notices so that people can
start planning to attend.

④Have a financial budget and stick to it.

今度は来る12月にまたさらに規模の大きい国際的なイベントをやる予定になっている。
私は「なんでもぎりぎり」カルチャーをなんとか打破して、スムーズでより価値あるイベントを創造したいものだと思う。 
ちなみにこのブログで舞台裏のストーリーを披露した国際イベントは以下のとおりです。
ぜひ英語の勉強にもご活用ください。 

http://www.geoc.jp/partnership/international/shien-report.html (結果報告、イベントの資料)

http://videoportal.unu.edu/event/221  (日英当日ビデオ)

この2か月は本当に中身の濃い2か月でした。
ただかなり家族にも負担をかけてしまったので、今度こそは余裕あるワークスタイルを確立しようと思っています。 
何事もバランスが重要ですね。