2015/03/01

日本のグローバル化のために必要なこと

ある外国人研究者から最近以下の苦情メールが届いた。


【日本での勤務時間について】
"Even though working contracts state roughly Monday to Friday 8 am to 6 pm, workers here are expected to work Monday to Saturday from 8 am to 1am which is inhumane in my opinion...."


私は本当に全くそのとおり、inhumane、だと同感だった。 
Inhumaneとは lacking humanity, kindness, compassionということだ。  
日本では契約書はあってないようなもので、実際の職場では正社員ともなればこの研究者のごとく月曜日から土曜日の朝8時から翌日午前1時まで働くのは「模範的な」社員、あるいは研究員だとみなされる。
日本の官公庁では午前3時までも働き続け、タクシーで帰宅することもよくあるという。 
こんなことを続けていたら誰だって体と心が病むのではないのか?
日本はこのまま優秀な人々を「過労死」させるシステムを続けるつもりなのだろうか。  
我々はロボットではないのだからもっと人間として最高の成果ができる職場環境作りをしてほしいものだと思う。  


【職場のコミュニケーションについて】
"International staff are not integrated in to group life. Group Meetings are held in Japanese for example, and I am continuously asked to correct the English of manuscripts with no reward...."


この日本人の「仲間外れ」とか「村八分」とかする風潮はいいかげん、もっと大人になって止めてほしいと思う。 
この研究者は自分の日本での研究はできるだけすぐに終わらせて米国か英国に引っ越して研究するとのことで、もし自分が日本での研究についてどうかと人に聞かれたら"I will advise them to keep away", つまり、日本には近づくなとアドバイスすると締めくくってあった。
悲しい現状報告であった。 
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またつい最近ナイジェリア、オーストラリア、ハンガリー、フランス、インド、タイの超優秀な6人の外国人研究者とディスカッションをする機会に恵まれた。
そこで話し合われた内容についての抜粋は以下のとおり。  


★ナイジェリアの研究者
-日本では時間に対しての柔軟性が欲しい。
成果を出すのが目的であって、遅くまで仕事をするのが目的ではない。
Result matters!
私は私の時間で成果を出す。この点は日本で何と言われようと妥協できない。


-日本人は本当に良く知りあうまで自分を出さない。
しかし良く知りあうとかなり知っていることが多く、日本人の友人は20代で私より年下だったが、彼女のほうが人生について私より多くを知っていることを知ったときには驚いた。 
 


★オーストラリアの研究者
-なぜこんな先進国でPaper workがこんなに多いのか。
コピーをしなければいけないいものが多すぎてびっくりしている。


★インドの研究者
-日本では日本語を習うことを期待されているのかもしれないが、それは研究で時間もないし、これはできない。驚いたのは郵便局で銀行口座を開こうとしたら、本人が名前を日本語(カタカナ)で書いてくれと言われ、「もういいです」といって別の銀行で口座を開いた。
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このような外国人研究者達の存在そのものが日本社会に疑問を投げかけ、グローバル化を促進してくれていることは確かであると私は思う。 
ただ、それ以上に日本社会の内側から変革するエネルギーがものすごく必要であると思う。
このブログを読んでくれている人たちがそういう変革をしていく力を持った人たちだと強く思う。