2013/12/30

推理の力 ---Thank you, "Sherlock"




Sherlock Holmes: It’s obvious, isn’t it?
John Watson: It’s not obvious to me.
Sherlock Holmes: Dear God. What is it like in your funny little brains?
                               It must be so boring.
イギリスBBCドラマ Sherlock Season1の中でシャーロック・ホームズからジョン・ワトソンへの強烈な皮肉たっぷりのセリフ。 

このセリフを聞いたとき、まるで自分に言われているようだと感じた。
このドラマのシャーロックさんに比べたら、私の生活は「思考停止」状態に近いと思えたからだ。 
ドラマではあるが、彼の分析力、目のつけどころ、細かい情報のパーツを瞬時につなげて推理していく過程を見せられると私の思考回路は本当に単純だなあ、とショックを受けた。 
 
英国式科学的思考とはこういうものか、なるほど、イギリス人だったらこういうところを見て人を判断するのかとか日本とは違う見方がまたおもしろい。
また、イギリス独特の皮肉たっぷりのユーモアも楽しめる。
また、シャーロックが話すスピードがかなり速いため、英語のリスニング力強化も期待できる。 


 


 
日本人はどちらかというと感性が鋭くて、「なんだかわからないけれども(説明はできないけれども)わかってしまう」ところがあって、自然に相手の心読みができる超能力のような能力が発達していると私は思う。
が、しかし、欧米人の持つ論理的分析能力もまた素晴らしいと思う。それに彼らのこの思考法を知らないと、日本人以外の人たちとうまくコミュニケーションがとれない。 日本人の「もしあれだったら。。。」「そう、あれやっといて。」「あれして、こうすればいいんだよ」で通じるテレパシーのようなものや日本人の共通認識を外国人に期待するのは無理だと経験上思う。
 

 
日本人ならその類いまれなる感性によって、外国人とも会って話せば言葉が通じないとしてもなんとなくわかることが多いかもしれないが、これが、英語でのメールのやりとりとなると「推理」がかなり必要になってくることが多い。 
いくら英語が世界の共通語とはいえ、英語が母国語でない人達が書くメールはかなり文法もはちゃめちゃ、意味不明なことは結構ある。 
それに、これが電話ともなると、その独特のお国なまりに何を言っているのかわからないことはよくあることだ。 
こんな状態になるとどうしても「推理」が必要になる。 
相手の状況とか自分が持っている情報を瞬時につなぎあわせて相手の言わんとすることを「推理」する能力はかなり重要だ。 
先日、各国からの若き博士たちのディスカッションに加わったときのエピソードをこのブログに載せているが、あの内容もかなり「推理」によって書かれたものである。 
実際の現場はものすごい独特のお国なまり、また文法がはちゃめちゃ、単語が専門用語をやたら使う人、ちょっとシャイで小さい声で話す人など様々なので何を言いたいのかはその人を現場で観察して得た情報、申請書である程度わかっている個人情報などの背景知識も駆使して、まさにめまぐるしく推理しながら、コミュニケーションをしていたのである。
 「思考停止」の状態、またはわかっていても性格的に奥ゆかしい人であれば沈黙だっただろう。 (残念なことに数人の日本人スタッフは大変静かだった)
それに誤解する人が多いが、Drの肩書きがあっても英語が得意とは限らない。
事実どうやってこの会話力で受入の先生とコミュニケーションが取れるのだろうかと不思議に思うこともある。 きっとお互い「推理」しあって会話しているに違いない。  
シャーロック的推理はあらゆる仕事のシーンでも役に立つと思う。
例えば、文法とか単語もちぐはぐで謎の英語による問い合わせメールが来た場合などである。
 
 
以前アメリカの会社に勤務していたときは、日本人の書く英語メールは現在、過去、未来がはっきりしていなかったり、あいまいな内容だったりして、日本人の私でさえ、意味不明のものが多かった。 
当時の私のアメリカ人のボスは、ほとんどメールの内容は信用せず、とにかく日本人スタッフの真意を知るために、自分から出向いて、必ず相手の表情を見て、あらゆる状況を良く観察して判断していた。
 

 
私はもうすぐ迎えるお正月はシャーロックを真似して
"Get out. I need to go to my mind palace. "と言って、考えることそのものを楽しんでみたいと思う。
皆様もどうかよいお年をお迎えください。   

  




 
 


  

2013/12/29

Do you know how to make miso?

数年前、体の調子がちょっと悪くなった時、健康について初めて真剣に考え、いろいろとリサーチをしてみた。 
やはり長時間にわたるパソコンにはりついての仕事そのものが体に悪いということはわかっていたが、仕事なのでどうしようもない。
しかし、もしかしたら忙しいから、時間がないからと外食が多かったからではないかと疑ってみた。
その頃、もう60代とは思われたが、非常に活力に満ちた、そして人間的にあたたかい篠田ご夫妻と知り合った。
私は篠田ご夫妻から健康の秘訣を熱心に学んだ。 
学んでいるうちに、きっと篠田ご夫妻のような生活をしたら、病院にお世話になるより人はもっと健康になるのではないかと思い立ち、そのころ、週に一度埼玉県坂戸市にある篠田家にお邪魔して自家製味噌の作り方を教えてもらったり、完全無農薬の畑での野菜作りに参加させてもらったりした。 
篠田ご夫妻がリーダー的な役割をして数十人の"20代の若者より元気な"60代以上のシニアの先輩たちがEM農法と呼ばれる完全無農薬の畑でサトイモや、大根やにんじんなどいろいろな野菜作りをしていた。 ここでとれる野菜は本当においしかった!! 
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EM農法とは

EM=Effective Micro-organisms(有用微生物群)の略で、1982年に琉球大学農学部比嘉照夫教授によって発表されました。EMは、物質を蘇生に導く有用な菌を80種類以上自然界から集めた集合体です。
この菌を農業に使用する事によって(特に有機栽培に使用する事によって、より効果が上がります)活発な微生物の働きにより土が活性化し小動物が住み付き、化学肥料にたよらず土の力で農産物を育てられるようになり、農産物が本来の味や栄養価を備えたものになります。EM栽培の特徴として農産物の甘味が増したり、抗酸化力があるものになります。
また、EMによって元気な農産物を作る事により農産物が病気にかかりにくなったり、害虫の食害を軽減させる事が出来るようになり、農薬を使わなくても栽培出来るようになります。
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あまりにも元気なおじいちゃん、おばあちゃんにお会いして、当時私は自分の生活パターンの見直しを真剣に考えた。
そして生まれて初めて日本の伝統食である「味噌」を作ってみよう、そしてその作り方を世界中の人に教えてあげようと思いついた。 
私は日本人であるにもかかわらず、味噌はどうやって作られるのか、全く考えたこともなかったのだ。
そうしてデジカメと小型ビデオカメラで篠田ご夫妻の許可をとって作り方を撮影し、編集し、英語の説明をつけてYou tubeに初アップロードしてみたのだった。 
まあ、見る人は少ないだろうなと思っていたが、予想以上に世界各国からコメントやらも届いたりして本当にびっくりした。 
日本の伝統食であるmiso soupについては米国でも作り方を聞かれたし、今の仕事で知り合ったドイツ人女性はドイツの自宅でmiso soupを作って食べているという。
篠田ご夫妻に教わった貴重な本当においしくて健康的な味噌のレシピはこちらです。
この比率で材料を合わせて作れば、非常においしい生きた味噌ができます。
ぜひお試しください。 (味噌作りの時期は、昔から「寒仕込み」と言って、雑菌が繁殖しにくい1月~2月に仕込むのが、一般的で間違いがないようです)