2013/07/24

所感:各国とのメールのやりとり

現在の仕事で33か国の主に欧米諸国との主要な科学関連機関とのやりとりをしだしてから一年半ほどたった。

前職ではほとんど米国人とのメールのやりとりがほとんどだったので、こんなにバラエティのある英文に接するのは初めてで刺激的である。 

日々の頻繁なメールのやりとりをしているうちに、だんだんと担当者を通して各国の文化や雰囲気を感じられるようになった。

 
担当者を通して、ということなのでもちろん担当者の人格、性格が影響していると思うが、あまりにも特徴があるのでおもしろい。 
担当者はDrの称号を持つ人、オフィサーやマネージャーという人たち、中には担当するのが全く初めてなので初めから教えてほしいといった事務職員もいたりして、こちらもバラエティに富んでいる。 

米国のやりとり、とくにニューヨーカーとのどちらかというとかなりドライで簡略化されたビジネスメールに慣れていた私はヨーロッパ諸国のとても人間的であたたかく、時には誌的であるメールに心打たれることが多い。

メールの丁寧度一位はドイツの印象が強い。
担当者が産休のため休職したが、次の方も丁寧すぎるほど、丁寧、そして、心のこもったメールのやりとりが続いている。 
最初はドイツってなんだかおかたいイメージだったが、担当者(実際会って話す機会もあった)を通してだがドイツとはなんと感性が豊かで深い国なのだろうと認識が変わり、米国にばかり目がいっていた私はヨーロッパの文化に深く興味を持つようになった。 

フランスの担当者は、最初に天気の話を入れてきたりして、あ、日本の手紙を思い出すなあとほのぼのとした気分になった。また、やはり人間的なあたたかみが、たとえ英語にたどたどしいところがあっても感じられて好感がもてる。 

イギリスは、本当にかっちりしている、まじめで正統派でくずれないという印象。
感情は極力入れず、外交的で親切な模範的な英語といった感じ。(あたりまえか。) 

オーストラリアはのんびりしているかとおもいきや、一番戦略的で仕事が早い。
日本と時差が1時間しかかわらないせいもあるが、メールを出してほとんど5分以内くらいに返事が来る。まるでチャットしているかのように。しかも的確な短い答え。これは意外だった。オーストラリアというとのんびりしたイメージがあって、返事はすごく遅いに違いないと思っていたが、一番早い。これは担当者の性格が大きいのかもしれない。彼女はもしかしたら、ニューヨークにでも留学していたのだろうかと思うくらい、忙しいアメリカを思い出した。 しかも彼女は全く感情はメールに入れない。あくまで論理的で的確な表現で短い。 この彼女のボスが先日こちらのオフィスを訪れて、私もミーティングに加わっていろいろざっくばらんに話す機会があったが、その彼女のボスがその部下のことを「彼女がほんとの裏ボス」といった意味のことを言って、にっこり微笑んだ。 どの国もやり手がいるものだ。 またオーストラリアは創造性とか自由な発想とかを大切にしていることがいろんな機会にうかがわれるし、オーストラリアからの訪問者もざっくばらんで気取ったところがなく、オープンマインドな感じの方で非常に親しみがもてた。  

アメリカはどうかというと、丁寧さにかけては残念ながら私の中では他と比較すると最下位。フレンドリーといえばそうかもしれないがどちらかというとぶっきらぼうな感じ。忙しモードが漂っていて、メールも1,2行が多く、ただCCに入れられていて、「これを読めばだいたいわかるでしょう」という暗黙の了解を求められる。 
効率をとことん追求したらこうなるのだろうか。。 
しかも、自分たちに不備があっても淡々としているところもある。 そうそう、アメリカに住んでいた私はこの雰囲気はよくわかる。いつもなんでアメリカ人は自分が悪くても謝罪しないのか、と憤慨したことが何回もあった。そういう文化なのだ。 彼らに悪気がないこともわかっているので、ただ淡々とビジネスメールのやりとりをしている。 

中国はまたかなり個性的。担当者はDr.の称号を持つ人ではあるが、英語は本当に苦手のようで、幼稚園児のようなかわいい日本語でメールが来るのである。 反応も遅かったりするので、いつも「緊急!」で送信したり、「開封メッセージを要求する」送信をしてやっとのことで連絡が取れる状態である。 

さて、長くなりそうなので、担当者を通して、一番魅力的だと感じた国はどこか。 
それはエストニアである。 エストニアの言語自体が不思議で美しい響きを持っていて、担当者の名前も美しい、まるで宇宙語のような感じで新鮮な驚きだった。 
エストニアとは昨年は組織の移行期で交流がなかったが、今年からは新しい担当者になった。 
新しいにもかかわらず、こちらから送った資料は完璧に理解して、他諸機関に不備書類が多々あるなか、最初からパーフェクトであった。 やりとりも実にスマートかつ洗練されていた。
メールの返事も比較的早く、わずか4,5行の中でも実に表現もあたたかく、かつ的確で、感謝の気持ちをあらわす表現や気配りが感じられるのである。 
エストニアってどんな国なんだろうと一番興味をかきたてられている。

私は自分が馴染みのある米国のことばかりしか頭になかったと、あらためて思う毎日である。
また、メールのやりとり=その国の印象=外交につながっていると思う。

 
 

 

 

 

  
 


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