テクノロジーの発達によって私達はひと昔ほど、悩むほどにお金をかけて、時間をかけて語学学校に行かなくても、それに相当する、あるいはやり方によってはそれ以上の効果さえ期待できる方法が気軽に利用できる時代に生きている。本当にすごい時代だ!
もちろん、時間もお金もある人は自分が無理なくできる語学学習方法をたくさんの選択肢から選べるだろう。例えば、留学や外国に滞在して集中的に学ぶほうがどう考えても上達は早いだろう。大切なのは個人の経済的、精神的負担を考慮して、無理なく楽しくできるだけ長く続けられる学習方法を探し当てることだ。
私の場合は全くお金にも時間にも余裕がなかったので、毎日英語を使う仕事をすることによって英語力を維持する方法を選ぶしかなかった。こうして、英語に関しては、仕事を通してお金をもらいながら、日々勉強させていただいているわけだが、もう2,3年も前から英語オンリーだった私が旅行がきっかけでフランス語をマスターしたいと思うようになった。もう50代になる私がフランス語を学びだして、フランス語初心者になってみて、思い知ったことがあった。
私は英語の土台があるからフランス語くらい早くマスターできるものと気楽に、好き勝手に、気が向いたまま、あらゆる方法に手を出してみた。そして、それから早3年が過ぎ。。。フランス語は英語とは全く別物と思えるほどとっつきにくいものだった。だからとっつきやすい、歌とか映画とかとにかく旅行してみるとかおもしろそうなものを中心にやってはみたものの、このままではいつまでたっても使い物にならないことにようやく気づいた。私はすっかり基礎的単語や文法などの記憶を定着させるトレーニングを怠っていたのだ。
自分が一昔前に実際に民間の会社で英会話講師をしていた頃は、特にビギナーの生徒さんたちには単語や重要フレーズを覚えてもらうために、工夫をこらしたフラッシュカードを作って何度も繰り返して発音してもらうティーチングをやっていたものだった。これは脳に記憶を定着させるのには必要な訓練である。
私が心がけていたのはできるだけリアルなフラッシュカードを使うことだった。たとえば手書きのイラストより、雑誌の切り抜きなどを使って、より実物に近いリアルなものを使うことだった。これには時間や根気を要した。講師にしても何度も同じことを繰り返すのは正直うんざりなのだが、記憶が定着するのに大変効果的な方法であることは間違いがないため、そのフラッシュカードを使ったエクササイズは毎回の初心者用クラスで繰り返していた。講師としてはこのフラッシュカードを使ったエクササイズをどれだけ絶妙なタイミングで出し、生徒の記憶を鍛えるかが講師の腕の見せどころとも言えるものだった。しかし、効果はあるものの、この単純ともいえる記憶定着訓練に生徒さんたちがかけているお金と時間を考えると、もっとクリエイティブな、もっと効果的で効率的な方法はないものかとよく疑問に思っていたものだった。
前置きが長くなってしまったが、まさに以上に述べた私の疑問と期待にこたえてくれた革命的ともいえる語学学習法がmemriseというAIと脳科学を活用した語学学習アプリである。
memriseのウェブサイト: https://www.memrise.com/ja/
この会社はイギリス発で、記憶術の達人によって設立されたユニークな会社だ。しかもAIと脳科学を活用しているだけあって、学習していて飽きない設定になっている。自然に自分のペースでいつでも時間があいたときに無理なく続けられる。バラエティに富むローカルなネイティブスピーカー達が基本フレーズを何度も言ってくれる機能もあるので、それは実践的で本当にありがたい。余力がある人は語学の他にも(英語バージョンしか今のところはないようだが)サイエンス全般、地理、歴史、文学、AIなどあらゆる分野のものが学習し放題である。もっと早く知っていれば良かったと思う。
気になる 会費はだいたい1ヶ月利用で 1,080円 / 月、3ヶ月利用で 2,300円 / 3カ月、1年間で 3,880円/ 年ととっても手頃だ。
無料バージョンもあるので、ちょっとどんな感じか試してみることができる。作り手の「楽しんでほしい」という気持ちが伝わるようなコンテンツで、押し付けもなく気軽にちょこっとづつでもやっていける。そしてさすがにmemriseで覚えた単語やフレーズが他の方法で勉強してみた方法より確実に記憶に残っていることを知ってからは、同じく頑張る皆さんにぜひ伝えなくてはと思い、この記事を書いてみました。
お役に立てれば幸いです。
ご参考までにmemriseを立ち上げた記憶術の達人のメッセージ動画です。